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非居住者が不動産を売却するときの代金から源泉徴収の要否と手続き

日本国内にある不動産の売買で個人の非居住者や外国法人(以下「非居住者等」といいます。)が売主となるとき、売買代金から買主が所得税を源泉徴収して、差し引いた金額を支払わなければならないことがあります。

一般的に不動産売買では仲介の不動産業者が売買代金の配分(仲介手数料、登記費用など)を計算して、決済の場で売買代金の授受や手数料などの支払いが行われます。ですので、売主が非居住者等のときの源泉徴収についても不動産業者が計算してくれているはずなのですが、非居住者等の不動産売買に慣れていない業者であったり、うっかりしていて、源泉徴収を忘れていることもあります。

代金決済の場で、司法書士が気づいて「源泉徴収は?」と聞いて、源泉徴収を忘れていたことが判明すると、売買代金全額を受け取れると思っていた売主が怒り出したりて、決済の場でもめ始めることもあります。源泉徴収を忘れて困るのは売主ではなくて買主なので買主に迷惑をかけないためにも、非居住者等が関係する不動産売買では、決済より前に源泉徴収を忘れていないか確認する必要があります。

源泉徴収が必要な非居住者等とは

個人の場合の非居住者とは

個人の場合「非居住者」とは「居住者以外の個人」と規定されていて、「居住者」とは、1.国内に住所を有し、または、2.現在まで1年以上居所を有する個人とされています。

ここで「住所」とは住民票の有無ではなく、個人に生活の本拠ことです。つまり、その人の生活の中心が日本にあるかどうかで、日本にあれば居住者ということになります。

また、「居所」とは生活の中心ではないが現に居住している場所をいいます。つまり、生活の本拠ではなくても1年以上日本に居住していれば「居住者」になります。

上記の2つの基準で居住者に該当しない個人は、非居住者ということになります。

外国法人とは

法人については、本店や主たる事務所によって内国法人か外国法人かの判断をします。本店や主たる事務所が日本国外にあるときは外国法人となります。

売買代金から源泉徴収が必要になるケース

非居住者等が売主になるときでも、全ての場合で売買代金からの源泉徴収が必要なわけではありません。

個人が自己又はその親族の居住の用に供するために土地等を購入した場合であって、その土地等の譲渡対価が1億円以下である場合には、その個人は源泉徴収をする必要はありません。

逆にいうと、これ以外の場合は、売買代金から買主が源泉徴収をして控除後の金額を売主に渡すことになります。つまり、次の場合には、常に譲渡対価から源泉徴収が必要です。

  1. 買主が法人のとき
  2. 買主または親族の居住用ではないとき、
  3. 譲渡対価が1億円を超えるとき

また、ここでいう譲渡対価とは、売買代金の額だけでなく、固定資産税の精算のようなものも含まれるので売買代金が1億円近いときは注意が必要です。

源泉徴収の手続き

買主の源泉徴収手続き

買主は売買代金から10.21%を源泉徴収として控除し、89.79%を売主に支払います。そして、売買代金を支払った月の翌月10日までに、税務署に源泉徴収した額を納付します。

法人でしたら給料等で源泉徴収事務には慣れていると思いますが、個人の方だと手続きがわからないかもしれませんね。税務署に行くと納付書をもらえるので、それに必要事項を記入して、金融機関の窓口で支払います。

源泉徴収後の売主の手続き

売主は不動産を売却した翌年の所得税の確定申告期間(2月16日から3月15日)に譲渡所得税の確定申告をして税金の精算をします。非居住者が税金の申告・納付をする際には、あらかじめ納税管理人を選任して税務署に届けておく必要があります。

譲渡所得税の確定申告をして、「源泉徴収額>税額」のときは還付を受けることができ、「源泉徴収額<税額」となったときは追加で税金を納付しなければなりません。

源泉徴収を忘れたとき

では、源泉徴収をうっかりして忘れてしまったときはどうなるのでしょうか?

最終的に、売主が譲渡所得税の申告をするので、そのときに精算してもらえば良さそうにも思います。しかし、源泉徴収しなければならない場合には、買主は源泉徴収をして納税するのが義務です。税務署から「源泉徴収した分をきちんと納付してください。」と言われたときに「源泉徴収を忘れたから、売主から徴収してください。」と言っても通用しません。

そのため、源泉徴収を忘れたときは、買主は売買対価全額を支払ったうえに、さらに10.21%の納税をしなければならなくなります。この10.21%の源泉徴収税相当額は、国外にいる売主から返してもらうしかないのですが、面倒ですし連絡もつくかどうかわかりませんね。

このようなことにならないように、売主が非居住者の不動産売買では、源泉徴収の要否を確認して、源泉徴収が必要なときは忘れずに源泉徴収して税金を納付するようにしましょう。

外国人外国法人の不動産登記

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